前編・〈バブル世代の「どぉなっちゃってんだよ」編〉はこちらから
そんな中、昨年2013年の流行語に「さとり世代」という言葉がノミネートされた。出自には様々な説があるが、近年の若い人々が欲を持たなくなったことを揶揄して用いられる言葉である。僕自身も1990年生まれであるので、そんな人間がいわゆる〈昨今の若者〉論を語るのにはある種の難しさが付きまとってしまうが、アンケートによると、最近の若者、それも20歳前後の若者はモノや人間関係に対する欲求が無くなってきている、という結果が出ているようだ。物心ついた時から現在に至るまで不景気だ不景気だと言われて育ち、〈失われた10年〉と言われていた時代はいつの間にか〈失われた20年〉にランクアップしている。僕たちは失われた時代に生き、逆に失われていない時代に何が失われていなかったのかすら知らない世代である。さとり世代とはそんな不景気で将来の希望が持てない時代に育ち、たくさんモノを持つことも求めず、休日は金のかからない自宅周辺で過ごし、恋愛は面倒だから同性の友達と遊んでいればいいじゃん、といった発想を持つ世代を指している。「ゆとり世代」の次の世代を指す、と言われるなど解釈は様々だが、僕は「ゆとり世代」と「さとり世代」はほとんど同じ世代を指していると思っている。
多くの方は気づいていると思うが、現在のさとり世代は多くの点でバブル世代とは正反対だ。彼らは所有を求めず、ステータスを求めず、人間関係、言ってしまえば異性を求めない。車の助手席に女の子を載せてスキーやサーフィンに出かけていくバブル期の男性と比較すると、さとり世代の人々は、ひょっとすると肩に小鳥でもとまるのではないか、といった印象がある。エネルギッシュなバブル世代に対して、さとり世代がさとりたる所以は、彼らがひたすら省エネな生活をしていることに由来している。リアルタイムを知らない僕がバブル世代の人間に対して酷い偏見を抱いているのかもしれないが、それを差し引いても二十数年で若者のメンタリティは、欲求の世代から無理をしない世代を経て、欲求しない世代へとなかなか大胆に変化してしまった。
2014年2月26日水曜日
2014年2月24日月曜日
クリープハイプUstreamで思うこと
2月22日0:00
私はクリープハイプのファンとしてクリープハイプというバンドは
ただ単純に最高で
ただ単純にかっこよくて
ただ単純に最高にロックだな
と思った。
いい意味でとても怖かった。
今回のUstreamは、クリープハイプが好きとか嫌いとかそんなはこと関係なく、音楽が好きな人は、いや、そうでない人も、とにかくみるべきだと思った。とにかく気合いが入っていて、気持ちがこもっていて、誰が見ても熱いものを感じたのではないだろうか。
2014年2月21日金曜日
今だからこその岡村靖幸(前編) ――バブル世代の「どぉなっちゃってんだよ」編
ポップスに限らず、世間の至る所に〈あるがまま〉原理主義が広がって久しい。自分らしく生きていきたいという歌詞が愛され、書店の平積みには無理をせず生きていくためのハウツー本が並べられている。誰もが自分らしく無理をせず、頑張らずに生きていきたい。思い切って、一億総あるがまま社会、と言い切ってしまいたいくらいだ。しかしこういった〈あるがまま〉原理主義の裏で、恐らく周りの人に受け入れてもらえないであろうありのままの自分をひた隠しにし、無理をして別の自分を作り生きている人がいるのも事実であり、それ以上にあるがままで生きている人々のシワ寄せを受けている人ももしかしたらどこかでこっそりと生きているかもしれない。〈あるがまま〉原理主義は、飾らない本来の自分を見せても誰からも愛してもらえるだろうと思っている人のためにある言説なのだと僕は思っている。それに比べて、しっかり化粧をして小奇麗な服に身を包み、他人もしくは自分のために自らをばっちり整えた上で「ナチュラル系」を称する女性向けファッション誌の方がよっぽど好感が持てる。理想と現実のギャップに悩む人々に、誰もが、今のままでいいじゃないか、と言う。違う違う、そうじゃない。あるがままの君が好きといくら言われても、あるがままの自分を、自分自身が好きになれないことが問題なのだ。このご時世、ナチュラルな自分が好きになれない人はどうやって生きていけばいい。
今から20年以上前に生み出された岡村靖幸の楽曲に僕が惹かれたのは、そこには一切の現状肯定が存在していなかったからかもしれない。彼の楽曲で描かれる登場人物たちは、誰もが理想と現実のギャップに身をよじり、それでも理想とする姿に自分を近づけるために虚勢を張ることを厭わなかった。
2013年11月17日日曜日
KANA-BOON -僕がステージに立ったら-
KANA-BOONワンマンライブ「僕がステージに立ったら」に行ってきた。今の編成になってから初のワンマンライブ。ミニアルバム「僕がCDを出したら」メジャーデビューシングル「盛者必衰の理、お断り」、フルアルバム「DOPPEL」現在流通しているCDに収録されている楽曲をすべて演奏するという何とも豪華なライブであった。今回のライブはKANA-BOONの歴史の中でも重要なライブになったことだろう。
2013年11月14日木曜日
BIGMAMA -We Don't Need a Time Machine- 1日目
BIGMAMAのライブWe Don't Need a Time Machineの1日目に行ってきた。私は彼らの魔法にかかってしまったのかもしれない。金井の歌い方はなんかもうもはやアイドルなのではと思うくらいの時もあった。ハンドマイクを持ってしゃがんで客席と同じ目線に立ったりして本当に最高だった。お客さんを楽しませることがとても上手なバンドだと実感した。彼らのワンマンライブに行くのは初めてだったけど、これははまってしまうな。Lovescapeの歌詞を借りるなら「ライフル越しにのぞいた姿に打ち抜かれたのは僕の方 これを恋と呼ばずなんと呼ぶのかな」である。「僕はここにいる人たちのことを僕の人生をかけて幸せにします。」とか言われたらたまらないだろう。彼らは本当に自分たちのファンに母のような大きな愛がある。
2013年10月8日火曜日
音楽のことばの使い方 ――ぼくは教養が少ない
「ロカビリー調のギターフレーズとブルージーなボーカルが…」
「70年代Jポップのメロディラインを意識しながら、現代のオルタナティブロックの系譜に位置する…」
こんな言葉がさらりと出てくるようになればもう少し格好いい文章が書けるようになるのに、といつも悔しい思いをしている。しかし、残念ながら今の僕はこんな言葉を使って文章を書く度胸が無い。
僕は恥ずかしながら、〈ロカビリー〉はもちろん、〈ブルージー〉、〈オルタナティブ〉、〈70年代Jポップ〉も、わかりやすくスラスラ説明することができない。正直、〈ロカビリー〉なのか〈ロビカリー〉なのかも怪しい。下手すれば、〈Jポップ〉すら説明できない。日本のポピュラーミュージック、と言ってしまえばいいのだろうか。でもポピュラーかそうでないかなんてその人の線引きによっていくらでも変化するじゃん? やっぱりMステ? テレビに出ればJポップなの?
考えてみれば、簡単に使ってしまう〈エモい〉という言葉だって上手に説明できないし、どこからどこまでが〈パンクロック〉なのかもよくわからない。そういえば確か、一時期〈青春パンク〉なんて言葉もあったかもしれない。それはそうと〈ギターロック〉だって、ロックバンドなんて基本的にはギター中心じゃん。〈ミクスチャーロック〉? え、ラップが入ればミクスチャーになるんじゃないの? そもそも、〈ロック〉って何? わかりやすく説明してよ。ねえねえ。
音楽に関する文章は、こんな、わかったような気がする言葉ばっかりだ。それを書いている人はきちんと理解したうえで使っていても、読んでいる僕らは、ああ、あんな感じね、とわかっているような気になって、さらっと読み飛ばす。そして、いざ自分で文章を書くときに同じ言葉を使おうとすると間違った使い方をしているんじゃないかと不安になって、こっそりGoogle先生に相談してみたりする。
理解していない言葉を使うのは、とてつもなく怖い。よそから借りてきた言葉をむりやりねじ込んだみたいに、その言葉だけが文章の中で浮いている。お高いスーツでビシッとキメているのに髪は近所のおっちゃんがやっている床屋の1000円カットで済ませています、みたいな、無理をして急ごしらえの格好を付けようとしている臭いがプンプンする。そんな必死さがバレるのが怖くて、身の丈に合っている言葉しか文章で使うことができない。
僕は教養が少ない。悲しいくらいに、教養が少ない。
2013年10月7日月曜日
勝手にVIVA LA ROCK ZERO特集
MUSICAの発行人であり、音小屋校長も務める鹿野淳と、音小屋夏期講習・6期で講師を務める河津知典が所属するディスクガレージがプロデュースし、2014年5月3日、4日、5日に、さいたまスーパーアリーナで行われる音楽フェス「VIVA LA ROCK」。そのキックオフイベントとして、今年の10月17日18日にZepp Tokyoで行われるのが今回特集する「VIVA LA ROCK ZERO」だ。1日券は3500円、2日通し券はなんと5000円という驚きの価格設定である。
出演アーティストは
10月17日
the telephones
UNISON SQUARE GARDEN
パスピエ
HAPPY
10月18日
Base Ball Bear
BIGMAMA
Plenty
SHISHAMO
のそれぞれ4組ずつである。2日間計8組。これほどのアーティストのライブを5000円で見ることができると思うと夢のような空間ではないだろうか。今回はこの中から各日2組のアーティストを紹介しよう。
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