2013年11月17日日曜日

KANA-BOON -僕がステージに立ったら-


KANA-BOONワンマンライブ「僕がステージに立ったら」に行ってきた。今の編成になってから初のワンマンライブ。ミニアルバム「僕がCDを出したら」メジャーデビューシングル「盛者必衰の理、お断り」、フルアルバム「DOPPEL」現在流通しているCDに収録されている楽曲をすべて演奏するという何とも豪華なライブであった。今回のライブはKANA-BOONの歴史の中でも重要なライブになったことだろう。
 


「僕がCDを出したら」の中の“ないものねだり”がラジオなどでオンエアされ人気が急上昇した彼ら。“ないものねだり”はとてもキャッチーな曲でライブでも盛り上がる曲だ。今年の各地の夏フェスでも演奏され会場の空気を彼らのものにしてきた。それだけでなく、DJブースでもたくさん使われ、曲がかかった途端観客はノリノリで「ワン ツー」と叫ぶ。印象的だったのはROCK IN JAPAN2日目のGRASS STAGEのトリのBUMP OF CHICKENのときだった。DJブースで“ないものねだり”がかかったとたん、一瞬であったが会場の空気がBUMP OF CHICKENからKANA-BOONへと変わっていった。彼らの勢いはそれほどのもので、今年の夏はまだ小さいステージだったが、近いうちにメインステージで演奏すること間違いなしだろう。

開演前、谷口鮪(Vo./G.)のアナウンスがあった。「このライブは安全に楽しんでもらいたいからダイブ、サークルモッシュはやめてほしい。それ以外は基本的に何をしても構わない。」といった内容だ。以前彼らのブログでダイブ、モッシュについての記事を書き様々な意見が飛び交ったこともあった。初のワンマンを行うに際して彼らは自分たちのスタンスを決めてきたのだろう。“ないものねだり”をはじめとして彼らの楽曲にはダイブやモッシュが起きてもおかしくない曲はたくさんある。でも、彼らは自分たちの音楽を安全に楽しんでもらいたい、楽しむ場所で怪我や事故などが起きてほしくないと思っているのだろう。

アルバム「DOPPEL」の一曲目“1.2. step to you”からライブは始まる。同じく2曲目の“ワールド”、ミニアルバム「僕がCDを出したら」の中から“ストラテジー”“クローン”と盛り上がる曲が続く。私はもうこの時点で汗がびちょびちょですでに終演したかのような状態だった。“クローン”ではおなじみの「クローン」という部分の大合唱が起こる。何より、盛り上がりすぎて床が揺れている。“東京”で少し落ち着いた雰囲気に。今回はワンマンライブということでMCもたくさんあり、いつもはあまり話さないメンバーも話をしていた。古賀隼斗(G.)はこのバンドの結成の経緯などを話した。小泉がゲームセンターにあるドラムのゲームをやったことがあると話した(嘘をついていたが)ことからドラムになり、古賀はベースを希望したが最終的にギターになったそうだ。

全曲演奏しますと宣言して始まった今回のライブ。定番となった“ないものねだり”を演奏し、あと3曲を残しアンコールかと思ったが最後にもう一曲。今回のライブはこの曲のためにあったというような曲だった。“眠れる森の君のため”フェスに出てCDも出してワンマンライブもやった。この曲で歌われていることを着々とこなしている彼ら。テレビに出るのだって夢ではないはずだ。この曲の歌詞の「君」がいるとしたら、自分だとしたらどうだろうか。高校の軽音楽部で結成した彼らがフェスに出てCDがタワレコに並び、注目を浴びてワンマンライブを行い、熱狂のライブを行う。これは彼らの夢を描いた曲で、彼らの物語である。同時に、彼らの物語とともに歩んできた彼らをサポートしてきた人々、彼らのファンの物語でもある。KANA-BOONの物語はまだまだ続いていくし、まだまだ私たちに夢を見させてほしい。

Text by Shu Saito
 

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