2013年11月17日日曜日

KANA-BOON -僕がステージに立ったら-


KANA-BOONワンマンライブ「僕がステージに立ったら」に行ってきた。今の編成になってから初のワンマンライブ。ミニアルバム「僕がCDを出したら」メジャーデビューシングル「盛者必衰の理、お断り」、フルアルバム「DOPPEL」現在流通しているCDに収録されている楽曲をすべて演奏するという何とも豪華なライブであった。今回のライブはKANA-BOONの歴史の中でも重要なライブになったことだろう。
 

2013年11月14日木曜日

BIGMAMA -We Don't Need a Time Machine- 1日目


BIGMAMAのライブWe Don't Need a Time Machine1日目に行ってきた。私は彼らの魔法にかかってしまったのかもしれない。金井の歌い方はなんかもうもはやアイドルなのではと思うくらいの時もあった。ハンドマイクを持ってしゃがんで客席と同じ目線に立ったりして本当に最高だった。お客さんを楽しませることがとても上手なバンドだと実感した。彼らのワンマンライブに行くのは初めてだったけど、これははまってしまうな。Lovescapeの歌詞を借りるなら「ライフル越しにのぞいた姿に打ち抜かれたのは僕の方 これを恋と呼ばずなんと呼ぶのかな」である。「僕はここにいる人たちのことを僕の人生をかけて幸せにします。」とか言われたらたまらないだろう。彼らは本当に自分たちのファンに母のような大きな愛がある。
 

2013年10月8日火曜日

音楽のことばの使い方 ――ぼくは教養が少ない


「ロカビリー調のギターフレーズとブルージーなボーカルが…」
「70年代Jポップのメロディラインを意識しながら、現代のオルタナティブロックの系譜に位置する…」

 こんな言葉がさらりと出てくるようになればもう少し格好いい文章が書けるようになるのに、といつも悔しい思いをしている。しかし、残念ながら今の僕はこんな言葉を使って文章を書く度胸が無い。
 僕は恥ずかしながら、〈ロカビリー〉はもちろん、〈ブルージー〉、〈オルタナティブ〉、〈70年代Jポップ〉も、わかりやすくスラスラ説明することができない。正直、〈ロカビリー〉なのか〈ロビカリー〉なのかも怪しい。下手すれば、〈Jポップ〉すら説明できない。日本のポピュラーミュージック、と言ってしまえばいいのだろうか。でもポピュラーかそうでないかなんてその人の線引きによっていくらでも変化するじゃん? やっぱりMステ? テレビに出ればJポップなの?
 考えてみれば、簡単に使ってしまう〈エモい〉という言葉だって上手に説明できないし、どこからどこまでが〈パンクロック〉なのかもよくわからない。そういえば確か、一時期〈青春パンク〉なんて言葉もあったかもしれない。それはそうと〈ギターロック〉だって、ロックバンドなんて基本的にはギター中心じゃん。〈ミクスチャーロック〉? え、ラップが入ればミクスチャーになるんじゃないの? そもそも、〈ロック〉って何? わかりやすく説明してよ。ねえねえ。

 音楽に関する文章は、こんな、わかったような気がする言葉ばっかりだ。それを書いている人はきちんと理解したうえで使っていても、読んでいる僕らは、ああ、あんな感じね、とわかっているような気になって、さらっと読み飛ばす。そして、いざ自分で文章を書くときに同じ言葉を使おうとすると間違った使い方をしているんじゃないかと不安になって、こっそりGoogle先生に相談してみたりする。
 理解していない言葉を使うのは、とてつもなく怖い。よそから借りてきた言葉をむりやりねじ込んだみたいに、その言葉だけが文章の中で浮いている。お高いスーツでビシッとキメているのに髪は近所のおっちゃんがやっている床屋の1000円カットで済ませています、みたいな、無理をして急ごしらえの格好を付けようとしている臭いがプンプンする。そんな必死さがバレるのが怖くて、身の丈に合っている言葉しか文章で使うことができない。
 僕は教養が少ない。悲しいくらいに、教養が少ない。


2013年10月7日月曜日

勝手にVIVA LA ROCK ZERO特集


MUSICAの発行人であり、音小屋校長も務める鹿野淳と、音小屋夏期講習・6期で講師を務める河津知典が所属するディスクガレージがプロデュースし、201453日、4日、5日に、さいたまスーパーアリーナで行われる音楽フェス「VIVA LA ROCK」。そのキックオフイベントとして、今年の101718日にZepp Tokyoで行われるのが今回特集する「VIVA LA ROCK ZERO」だ。1日券は3500円、2日通し券はなんと5000円という驚きの価格設定である。

出演アーティストは

1017
the telephones
UNISON SQUARE GARDEN
パスピエ
HAPPY

1018
Base Ball Bear
BIGMAMA
Plenty
SHISHAMO

のそれぞれ4組ずつである。2日間計8組。これほどのアーティストのライブを5000円で見ることができると思うと夢のような空間ではないだろうか。今回はこの中から各日2組のアーティストを紹介しよう。

2013年10月5日土曜日

進化し続けるポップミュージックの牽引者


 ceroというバンドをご存じだろうか?Vo/B.高城昌平、G.橋本翼、Key.荒内佑の三人で構成されていて、バンド名はContemporary Exotica Rock Orchestraの略である。基本的に前述した楽器を担当しているのだが、ライブではしばしば高城がギターやサックス、荒内がベースを担当する時がある。SAKE ROCKYOUR SONG IS GOODやキセルなどを擁するインディーズレーベルであるカクバリズムに所属しており、今年は全国の様々なフェスに出演したり、Shimokitazawa Indie Fanclubでは入場規制がかかったりとますます勢いが増しているバンドである。


2013年10月1日火曜日

楽しい地獄に遊びに行こう


 やっぱり相変わらず星野源は星野源なのかもしれない。いくら殻を破っても中には彼しかいないのだから。シングル「地獄でなぜ悪い」発売に先駆けて、先日MVと、特典DVDの予告編が公開された。特典DVDはいつも通りの入れすぎなのでは?と思うくらいのボリュームだ。でも、やっぱり「入院したのこないだ」ってコメントが入ったり病気のことは忘れるわけにはいかない。彼は以前アルバム「Stranger」収録の「化物」のコメントで「こうなる前に書いた曲なのに、今の自分の状況を表している」と語っており、今回のシングルもまた同じコメントを寄せている。

2013年9月26日木曜日

七色の輝きを無限に増していく21st Century Rock Band


ストレイテナーの新しいミニアルバム「Resplendent」がリリースされた。ストレイテナーは過去にもいくつかのミニアルバムを出しているが、いずれも個性の強い、その時々のストレイテナーを切り取った作品であった。
だが、今回はうって変わって、収録されている5曲はそれぞれ違った個性を放っている。それこそ彼らのうちにある七色の魅力がそれぞれの曲の形として発現しているのだ。

タイトルの「Resplendent」という言葉は【輝き】という意味を持つのだが、なぜここであえてこの言葉を使ったのか。

今年デビュー10周年を迎えた彼らはなぜこのタイミングでこの作品を生み出したのだろうか。作品を聞くことにより読み解いていこうと思う。

2013年9月18日水曜日

私的、夢みる音楽まとめ


「夢」をテーマにした音楽、楽曲はたくさんあると思う。それは“将来の夢”のような夢か、寝るときにみる“夢”のどちらかのことを指すことが多いと思うんだけど、“夢”で“夢”みるなんてこともあると思う。そこで今回は“夢”をテーマにした曲の中から私が好きな曲を少しだけ紹介してみる。
 

2013年9月16日月曜日

「音楽」の楽しみ方とは


 「ライブで暴れるのが好き」「ヘッドフォンで一人聴いているのがすき」「楽器を演奏するのが好き」世の中には様々な性格の人がいるのだから、それぞれの楽しみ方がある。こればっかりはマジョリティなんて気にする必要もないし、楽しみ方に正解もクソもない。自分が正しければそれでいいのだ。それぞれが音楽に夢やロマンを持ち、それを信じている。それが音楽だ。

2013年9月13日金曜日

Let’s go to music festival ! money編


怒涛の夏フェスシーズンも終わりに近づいてきましたね。
今回は、音楽フェスに行ってみたいけれど、参加への一歩を踏み出せないに人に向けた記事です。内容はずばり「音楽フェスに行くにはどれくらいのお金が必要なのか」です。

 
朝から夜までいろいろなアーティストがライブをして、美味しいフェス飯があって、場合によっては自然を体験できて、そういう情報はよく耳にすると思います。ライブレポートや参加者の感想を読めば、“なんとなくフェスってこういうものなのだろうな”という想像はつきますよね。けれど具体的なことが分からないから、参加に踏み切れない。お目当てのアーティストの演奏時間はワンマンより短いし、ライブハウスに行くよりお金もかかりそうだし、今年も行かなくてもいいかなぁ。そんな人が結構いるのではないでしょうか。

2013年9月11日水曜日

カラフルな光を放つバンド asobius



  今回は、私の大好きなバンド「asobius」について記事を書きたいと思います。


 音が降ってくる!

 初めて彼らの音源を聴いたとき、私はそう思った。初めて聴いたのに、音がすーっと自分の中に染み込んできてとても心地が良かったのを今でも覚えている。

 asobiusは、201110月に結成されたバンドで、今年の529日に発売された彼らのミニアルバム「Rainbow」はタワレコメン(全国のタワー・スタッフがまだ世間で話題になる前のアーティストをいち早くピックアップするもの)にも選出された実力あるバンドである。Introから始まるこのアルバムは、とても神秘的で美しさがぎゅっと詰まったようなアルバムだ。また、収録されている楽曲も、それぞれに色(個性)を持ちどこまでも続いていくような壮大さを持っている。それはまさにタイトル通り「Rainbow」のようである。


2013年9月9日月曜日

新しい音楽に出会う


いろんな音楽に溢れている中で、今自分が聴いたり、好きなアーティストに出会ったきっかけってなんだろうって、ふと考えながら歩いてました。CDショップ、フェス、メディアだったりってのが主なのではないでしょうか。まだまだ、出会えてない音楽がいっぱいある。今回は数ある出会いの手段の中の一つを提案・紹介させてもらえればと思います。
 

2013年9月6日金曜日

音楽メディアとしてのライブハウス


今回僕が紹介するのは「ライブハウス」です。


 新しい音楽に出会うときに用いるツール、例えばYouTubeMステ、スクールオブロック、雑誌、いろいろとある選択肢の中に、是非ライブハウスを加えてほしいと思います。

 お目当てのバンドがまったくいないライブに行く楽しみを知ってしまったら病み付きになります。バンドが、音楽性が無数にあるように、ライブハウスも無数にあります。つまりその分だけ様々な音楽を提示している場所があるということです。下北系、新宿系、渋谷系なんてのを聞いたことがあるかもしれません。Zepp Tokyoやクアトロだけがライブハウスではないんです。

2013年9月4日水曜日

〈音が見える〉DVD ――TRICERATOPS『GOING TO THE MOON -15TH ANNIVERSARY SHOW AT HIBIYA MUSIC BOWL-』



 ライブDVDの楽しみ方がわからない。
 生でライブを観ている時のように身体を動かすのはご近所さんに迷惑だし、ひとりでやっても空しいし。でも1時間以上も画面にかじりついているのも意外と大変だし。
 そんなあなたに一度観て頂きたいのが、トライセラトップス15周年記念ライブが収録されたこちら、『GOING TO THE MOON -15TH ANNIVERSARY SHOW AT HIBIYA MUSIC BOWL-』。このDVD、ただの映像記録とは一味違う。
 このDVD、なんと、〈音が録画されている〉DVDなのである。



2013年9月2日月曜日

一瞬で心を奪われた一曲


わたしは「一瞬で心を奪われた一曲」を紹介していきます。

実際に一瞬で心奪われることはないかもしれませんが。笑

一度聴いただけで耳からはなれない、心をぐっと掴まれる、そんな曲に出会う体験はきっとみんなあると思います。


aruku 「光る」

 
 お目当てのバンドは、このバンドじゃなかった。

小さなライブハウスの片隅でぼーっと好きなバンドの登場を待っていた時。

そんな瞬間だった、わたしが彼らに心を奪われた。

 こだわり抜いたギターサウンドからはじまり、聴こえた甘いボーカルの声に惚れた。大胆なメロディラインに見え隠れする、繊細な音の数々。キャッチーなサビから展開するリズム隊。

 
 どうしてこの曲の名前は名詞形の光じゃないんだろうと、考えたことがあった。けれどその答えはとても簡単なのかもしれない。彼らが光をさがしているのではない。彼ら自身が「光る」という意思表示なのかもしれない。

 
 宇都宮発の4ピースロックバンド、aruku。まだまだ知らない人も多いかもしれないが、この曲で彼らを知るきっかけにしてほしい。

Text by Nami Komaki

自分を支えてくれる一曲


日常/星野源

 
 「こんなことして何の意味があるのか?」という疑問が浮かび暗いトンネルにいるような感覚に陥った時、どうするか。そこで辞めるのか、それとも続けてみるのか


 ギターの優しい音色に乗っかるシンプルなベースラインとドラムのリムショットで始まるこの曲は、「無駄なことだと/思いながらも/それでもやるのよ/意味が無いさと/言われながらも/それでも歌うの」という一節が歌い出しだ。日常を構成する要素の中には“無駄”というものの比重が実は多いのではないかということにはっと気づかされる。

 
サビの「日々は動き/今が生まれる/暗い部屋でも/進む進む」という歌詞からも日常というものの本質が見えてくる。どんなことがあっても日常は進んでいくのである。「日常はそんなに優しくない。」と星野はインタビューで言っていた。全くその通りだ。しかし残酷な一面を見せる日常の中で光る何かが一つでもあればそれでいい。この曲はそう思わせてくれる。

 
そして、『ひらめき』で「かがやき/無駄のなかに」と歌っていたり『くだらないのなかに』で「くだらないのなかに/愛が」と歌っていたりと星野の曲は“無駄”や“くだらないもの”の大切さに気付かせてくれる。それらの中から日常の輝きが生まれてくるのだろう。だからいつだって「無駄なことだと思いながらもそれでもやるのよ」。

Text by Ayaka Himi






歌いたくなる一曲


 私が紹介するのは「歌いたくなる一曲」です!!!

 聞いたら思わず歌いだしたくなるような曲を紹介していきたいです!!!


 今回は一回目という事で私の一番好きなJimmy Eat Worldの「Sweetness


 力強いボーカルから始まるこの曲は、このバンドの代表曲であり、エモというジャンルの代名詞でもある。
 伸びやかなボーカルと骨太で重厚なサウンドが聞く者の心に爽快感を与えてくれる。開放的なサビは海や空のような青さを彷彿させ、どこまでも伸びて行くかのような気持ちにさせられる。

 ライブで聞くとさらに曲の良さは更に増す。曲中にはメロディだけで歌詞が無い部分がいくつもあり、その部分をその場にいる者たちが大合唱する。
 ライブでは二番の初めの ”Are you listening? Sing it back!” 
という部分で、バンドが一瞬演奏を止め、合唱の声だけが響くというアレンジがされるのだが、この時の多幸感はライブの醍醐味だなと感じずにはいられない。



 シンガロングによりその場にいる者が1つになり、ライブという空間をバンドと作りだしていると強く感じさせてくれるこの曲、是非一聴してその感覚を味わってほしい。


Text by Takahiro Amemiya




価値観を変えた一曲


overcome/10-FEET

波にうたれているようなサウンドからタクマのちから強い歌声が聞こえる。

そこから序々にビート音が加速していき、アップテンポな曲調にかわっていく。

この一曲はわたしの価値観を大きく変えてくれた曲でもある。

苦しいことや悲しいことに立て続けに遭った時、人は確実になぜこんな目に遭うのかと考えるはずだ。例えばそれの原因が自分にあったとしても、人は自分が一番大事だからそのように考えることは少なくないだろう。しかしovercome ではこのような1行がでてくる。’’なぜ私だけ...と泣いてしまった毎日を 愛そう愛そう愛そう愛そう愛’’この1行でわたしの価値観はひっくり返った。そんな日々を自分を含めて丸ごと愛してしまおう。頭を殴られたような感覚だった。いま、自分の状況に理不尽さや悲しみを感じている人に是非聞いてもらいたい一曲である。
Text by Aya Takeyama

夏の終わりが近づく、この時期に聴きたい一曲



若者のすべて/フジファブリック

 
 歌詞、曲調共に、真夏のピークが去った今、この夏にあった出来事を思い出すことが出来る曲である。いや、この夏だけではない。自分自身のこれまでの思い出を振り返ることの出来る1曲である。

 イントロからBメロにかけての静かに心に沁み込んでくるようなメロディー、「最後の花火に今年もなったな 何年経っても思い出してしまうな」の歌詞で始まるサビ、ボーカルの志村がのびやかに力強く歌い上げているCメロ、大サビ。楽器隊、ボーカル志村の声の全てが心地よく、優しく、そして安心感がある。

 この「若者のすべて」という曲は、今年の高校野球の夏の甲子園の特別番組の一部に使用されていた。灼熱の太陽の下、甲子園球場でボールを追いかけ喜んだり涙を流したりしている球児たちの姿とこの曲を同時に流していた。あまりにも曲と映像がマッチしていたので思わず私は涙を流してしまった。この曲は私たちに忘れかけている思い出を思い出させてくれる曲と言っても過言ではないだろう。
 
 
Text by Yurie Waki

片想いの一曲


マカロニ/Perfume


 私がPerfumeを聴き始めたのは木村カエラがラジオで紹介していたころからで、そのころはまさかこんなに好きになるとは思わなかった。GAMEというアルバムが出て、Perfumeのアルバムの中で、私の中ではこのアルバムがいまだに1番のお気に入りなんだけど、そのなかでもこのマカロニという曲が大好きでたまらない。最高に絶妙な切なさだ。同じくPerfume願いという曲もあって、届きそうで届かない距離を歌ったこの曲もたまらなく切ない。どちらもいい曲だけれども、これから秋になるということで、秋にピッタリなマカロニを紹介する。
 

『これくらいのかんじでいつまでもいたいよね』

 たぶんこれは恋人同士の曲。とても切ない気持ちにさせてくれる。「いつまでもふたり手を繋いで、ちょっぴりドキドキするような感じでいたいよね。でも、いつまで一緒にいられるか不安だけど、キミと一緒にいられれば安心できるよ。」とか…そんな感じを想像してみる。Perfumeらしい近未来テクノポップとはかけ離れた曲である。しかし、Perfumeの曲にとって『キミ』の存在はとても重要で、近すぎず、遠すぎず、まるで付き合いたてのカップルのようなどこかよそよそしい、そんな特別な距離感が『これくらいのかんじ』なのであろう。歌詞の中にいるのはごく普通の女の子。8ミリカメラで撮影されたMVは楽しそうな笑い声が聞こえてきそうだ。


 『これくらいのかんじでいつまでもいたいよね』というちょうどいい距離感を保つことは私にとってちょっぴり難しい。けれどたまには、近すぎず、遠すぎず。ふたりのちょうどいい関係をそのままにしてみようか。

Text by Shu Saito




2013年9月1日日曜日

最近の一曲


欠けボタンの浜 / HUSKING BEE
 
 

 バイト終わり、いつも一番に月を見上げる。満ちていようと欠けていようとそこにあるだけでなんとなく疲れが取れる気がして、いつも見上げてしまう。ここ最近は特に月がくっきりと見えていることが多く、そんなときによくこの曲を思い出して聴いてみる。特にこの曲が月のことを歌っている曲というわけではないのだけど、歌いだしに「月」のワードが入っているというだけの、どうにも不明瞭な動機で。
 なだらかなアコースティックギターの音にイッソン(vo.)の歌声がふわりと乗り、徐々にバンドのサウンドが重なっていく。バイト終わりの23時とか、深夜によくとけ込む曲だ。力みすぎずほのぼのしすぎず、ちょうどいい感じの抑揚が疲れきった体にすごく心地よい。


 一曲終わった頃には、もう嫌だったこととか失敗したことなんて忘れて、なんとも晴れ晴れしい気持ちになっている。ああ、この曲もまた月と同じように、流れているだけで疲れをとってくれる曲なんだなー、と感じるのであった。
 
Text by Yuki Tahara
 
 


この一曲


こんにちは。白木です。

私は『この一曲』を紹介しようと思います。

 
SEBASTIAN X 「DNA

 
 ストレートに。シンプルに。飾らない今のSEBASTIAN Xの魅力が詰め込まれたアルバムが814日にリリースされた「POWER OF NOISE」だ。そのなかでリードトラックになっているのが「DNA」である。ボーカル永原真夏が“爪先から頭まで”自分を解放することによって出来上がったこの一曲は、生命力で満ち溢れている。そしてその音楽は、リスナーの身体じゅう細胞単位にまで響き渡り、人をわくわくさせることは間違いない。

 

 聴けば無条件で胸が高鳴る。それが彼らの楽曲が持つパワーなのだ。音楽はこんなにも素晴らしいものなのかと再確認させてくれるアルバム。「POWER OF NOISE」。ぜひ今までSEBASTIAN Xを聴いたことがなかった人にも聴いてほしい。純粋に音楽を好きになったころの気持ちを取り戻せるはずだ!
 
Text by Risa Shiraki







背中を押してくれる一曲



 私は、「背中を押してくれる曲」として、東京スカパラダイスオーケストラの「Diamond In Your Heart」について記事を書きます。

 
「音楽は誰もが勝つことが出来るゲームだ」

 
 この曲は、東京スカパラダイスオーケストラが7月3日にリリースしたアルバム「Diamond In Your Heart」の表題曲として収録されている曲であり、また、the HIATUSの細美武士をボーカルに迎えた楽曲である。


 曲調は、東京スカパラダイス全開で、最初から最後まで本当に楽しい。イントロの部分からうずうずするし、ジャンプしたり、踊ったり、体がかってに動きだしてしまうような、まさにダイアモンドのようにキラキラした1曲だ。

 

 また歌詞も、〈Never give up your dreams〉とあるように夢に向かって頑張っている人を応援しているような歌詞になっている。特に最後の〈You can choose to fight for your dream〉〈Go farthest in all your power〉という歌詞は、夢と現実の間で苦しんでいる人に、夢に向かって頑張っている人に一筋の光を与えるであろう。

Text by Shiori Kotaki

季節の一曲


春は風のように/BIGMAMA

 

最新のアルバム「君想う、故に我あり」に収録されている1曲である。

曲の演奏時間は、219秒とBIGMAMAにしては短く、あっという間に終わってしまう。“春は風のように”というタイトル名と同じ歌詞から始まり、バイオリンが奏でるメロディラインに春、夏、秋、冬という四季を順に駆け抜けていく。メロディもリズムも気持ちよく、過ぎ去っていく四季の様子だけでなく、ともに歌われる恋の経過に聴き入っていると、気づいた時には曲は終わっていた。まるで1年があっという間に終わることを告げているようである。それでも、演奏時間の短さを感じさせない充実感が、曲の終了後には残っていた。

 アルバムを通して、誰かのことを想って書かれた歌詞と、とても綺麗なメロディがつまっているので、是非手に取って聴いてもらいたい。

Text by Shun Ikeda

ロックな一曲


ロックンロール/くるり


ロックとは何か。
いわゆるロックミュージック的なものをがっつりと聞き始めたのは高校のときで、その時ロックというものは激しく、やかましく、でもかっこいいから聞き、反社会性があって、弱いくて若い自分たちの事を代弁してくれる、そんな心強い味方だった。それはいまも変わらない。しかしロックというものに「やさしさ」を感じたのはこのバンドが初めてだった。

あのイントロが鳴っただけで、全身が高揚するのが分かる。内側から沸き立つようなこの安心感はなんなのだろうか。自分が彼らの音に守られているような気持ちになる

 
たった一かけらの勇気があれば
ほんとうのやさしさがあれば
あなたを思う本当の心があれば
僕はすべてを失えるんだ

ここまで真っ直ぐに心に響いた歌詞はそれまで無かった。ああ、これがロックンロールなんだと。ロックは「愛」を内包したものであると。僕はこの時初めて、ロックミュージックと、いつまでもいつまでも一緒に生きていける気がした。

Text by Takuto Ninohira