2月22日0:00
私はクリープハイプのファンとしてクリープハイプというバンドは
ただ単純に最高で
ただ単純にかっこよくて
ただ単純に最高にロックだな
と思った。
いい意味でとても怖かった。
今回のUstreamは、クリープハイプが好きとか嫌いとかそんなはこと関係なく、音楽が好きな人は、いや、そうでない人も、とにかくみるべきだと思った。とにかく気合いが入っていて、気持ちがこもっていて、誰が見ても熱いものを感じたのではないだろうか。
レコード会社を移籍すること
自分たちの意思ではないベスト盤がでること
でもそれで新たに自分たちのことを知ってくれる人がいるかもしれないということ
だからベスト盤自体のことは否定しない
ただ悔しいということ
だから自分たちの意思ではないベスト盤の曲順通りに自分たちの意志でライブを行う
という話の後にUstreamでのライブが始まった。
よけいなものが何一つないライブだった。
あえてベスト盤の曲順通りにやるなんてなんてロックなんだろうと思った。
“イノチミジカシコイセヨオトメ”のイントロの一音目からただ彼らの感情がこもっていて、悔しいということ、それでも自分たちの音楽で伝えたいということがしっかり伝わってきた。もうなにも話さなくても彼らの伝えたいことはリスナーに伝わっているだろう。
みんなそれぞれうまくいかないことがあって、やりたくないこともしなくてはならない。それは彼らだけに限ったことではなく、誰にでもあることだと思う。それをあきらめて従うことは簡単で誰にでもできること。でも、そこで自分たちがしたいことはそうじゃないんだと声を上げることはとても難しいことだ。
きっとミュージシャンにとって作品を作ることは呼吸をするようなもので、だからこそ、納得した形で世の中に送り出したいし、それを何も知らされず使われることは納得できないし、今まで苦労して作り上げてきたものが壊れていくようなことで悔しいし、信頼してやってきた関係も崩れてしまい裏切られた気持ちでいっぱいだっただろう。
それを表現した今回のUstreamは本当にすごかった。
歌声、演奏、彼らの表情や今までともに作品を作り上げてきた松居大吾のカメラワークも含め真に迫るものがあった。
“社会の窓”で「移籍したのは運が悪かった 移籍しない方がよかったのか そんなの今更絶対に カミングアウトできないし」と歌詞を変えたのは、なぜかとてもちっぽけなことのように思えた。そこで歌詞を変えたことで収まりきらない感情があって、ライブ自体で感じたものがあまりにも大きすぎた。尾崎世界観の感情を剥き出しにした表情は忘れられない。怖いほどにその悔しい気持ちが伝わってきた。
彼らが本当に音楽を愛し、リスナーを愛しているからこそ中途半端作品は出したくない、自分たちが納得したものを世の中に送り出したいと思っているからこその今回の騒動だったのではないだろうか。クリープハイプの音楽はうまくいかないことがあるからこそそれをバネにしてもっといい音楽が生まれるような気がしている。いい意味でとても卑屈なバンドだが、それが彼らの一番の魅力だろう。それが彼らとほかのバンドの違うところで、だからたくさんの人が彼らに惹かれるんだと思う。うまくいかないこと、気に入らないこと、悔しいこと、悲しいこと、すべて言葉に出すのは簡単なようで難しい。その気持ちを代弁してくれるからこそ私は彼らの音楽が大好きだ。きっとこれからも彼らは彼らでしか歌えない彼らなりのロックを世の中に送り出してくれることだろう。私はそれが楽しみで仕方ない。
Text by Shu Saito
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