2013年10月1日火曜日

楽しい地獄に遊びに行こう


 やっぱり相変わらず星野源は星野源なのかもしれない。いくら殻を破っても中には彼しかいないのだから。シングル「地獄でなぜ悪い」発売に先駆けて、先日MVと、特典DVDの予告編が公開された。特典DVDはいつも通りの入れすぎなのでは?と思うくらいのボリュームだ。でも、やっぱり「入院したのこないだ」ってコメントが入ったり病気のことは忘れるわけにはいかない。彼は以前アルバム「Stranger」収録の「化物」のコメントで「こうなる前に書いた曲なのに、今の自分の状況を表している」と語っており、今回のシングルもまた同じコメントを寄せている。

「化物」で歌う「奈落の底」は「地獄でなぜ悪い」で歌う「地獄」なのだろう。「奈落の底」からは這いあがってきた。でも、「地獄」では同じ地獄で待つのだ。これは現実なのか夢なのか。彼は今“楽しい地獄”にいる。もしかしたら、楽しいから戻ってきたくないのかもしれない。だから同じ地獄で待っているのだ。でも、私は思う。シングル「夢の外へ」では夢を現実に連れて来ようと歌っていたではないかと。その楽しい地獄の夢を現実に連れてきたらもっと楽しいのではないかと思う。出口のない地獄は苦しいかもしれない。でも、出口を探し“ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ”んでしょ?だったら早くその記憶に打ち勝ってみよって。“動けない場所から君を 同じ地獄で待つ”この曲を聴いた誰もがこの歌詞が耳に残るだろう。これが現実。彼は今動けない場所にいる。辛いこともたくさんあるけれど、辛いだけではない。地獄のような日々だけど、楽しんでいる、楽しめる心の余裕があるのだ。それなら私たちは悲観することはないのかもしれない。彼が帰ってこない現実はさみしいが、楽しんでいるのならこちらも心配せずに待っていればいいのではないかと。

遊び心満載のMVは本当に彼らしい。下ネタを強調してくるあたりとかは最高だ。血が噴き出すシーンとかガラケーを充電しながら使う細かい部分とか。とてもこだわって作ったビデオなのだろう。最後に私たちにとってびっくりする地獄からの元気な便りが待っているのだが。

彼はきっと今元気に過ごしている。でも、ゆっくり休むことは必要で、地獄にいることには変わりない。待っていればいいと言ったけれど、やっぱり私は彼のいる楽しい地獄に行ってみたいと思う。だって彼もそこで待っているのだから。
 

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