今回は、私の大好きなバンド「asobius」について記事を書きたいと思います。
音が降ってくる!
初めて彼らの音源を聴いたとき、私はそう思った。初めて聴いたのに、音がすーっと自分の中に染み込んできてとても心地が良かったのを今でも覚えている。
asobiusは、2011年10月に結成されたバンドで、今年の5月29日に発売された彼らのミニアルバム「Rainbow」はタワレコメン(全国のタワー・スタッフがまだ世間で話題になる前のアーティストをいち早くピックアップするもの)にも選出された実力あるバンドである。Introから始まるこのアルバムは、とても神秘的で美しさがぎゅっと詰まったようなアルバムだ。また、収録されている楽曲も、それぞれに色(個性)を持ちどこまでも続いていくような壮大さを持っている。それはまさにタイトル通り「Rainbow」のようである。
彼らの強みは、やはりなんといっても曲の壮大さだ。メロディーも美しく流れていくし、美しいメロディーの後ろで刻まれているリズムも印象的なものが多いし、サウンドも綿密で丁寧に作られていると思う。それらが一つになって、またそこにバンドのパワーが加えられて作り出される音楽は、とてもスケールの大きいもので聴くものを惹き付ける。たくさんの音楽が日々生まれ続けているし、私が知っている(聴いている)音楽はほんのひとつまみであろう。しかし、彼らの音楽はその中に新しい風を吹かせるのではないか、と感じずにはいられない。
8月24日にasobiusが出演したライブを観に行った。その日は8組のアーティストが出演していたから、彼らを目当てとしたお客さんは少なかったかもしれないし(もしかしたらその日に初めてasibiusの音楽を聴いたという人も多かったかもしれない)、その上1組目という事もあってライブが始まっても最初はあまり盛り上がっていなかった。しかし、starlightからライブの雰囲気は一変した。ヴォーカルの甲斐一斗がジャンプを促すと、それまで固まっていた観客たちは楽しそうにジャンプをした。そして、その曲で見事にぴょんぴょん跳ねさせてからは、ぐいぐいと彼らの音楽に引き込んでいった。会場の空気が一変した後に演奏されたI’m In The Love,そして最後の曲All The Things So Far。この2曲を続けて演奏し、彼らのステージは終了した。この時の観客たちの様子は最初とはまるっきり変わっていた。これらの曲も跳ねたり、踊ったりというような雰囲気の曲ではないから、一見、最初の光景とは変わらなかったんだけど、明らかに彼らの世界に吸い込まれていた。最後はasobiusの音楽に釘付けという感じで、彼らを見つめる観客の「目」がなによりもそのことを証明していた。 盛り上がって欲しいところは盛り上がらせて、しっかり聴いて欲しいところはしっかり聴かせる。彼らにはそれが出来ていたと思う。また、この日出演していたバンドは、今勢いがあるバンドだったり、素晴らしいバンドが多かったけど、その中でもasobiusの演奏・楽曲は異彩を放っていた。
最後に、9月18日にワンコインシングルとして500円(税込み525円)でasobiusのシングルCDが発売される。TOWER RECORDS限定となるのだが、もしまだasobiusの音楽を聴いた事がないというのならぜひ手に取って欲しいと思う。そして彼らの音を浴びて欲しい。
Text by Shiori Kotaki
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