「ライブで暴れるのが好き」「ヘッドフォンで一人聴いているのがすき」「楽器を演奏するのが好き」…世の中には様々な性格の人がいるのだから、それぞれの楽しみ方がある。こればっかりはマジョリティなんて気にする必要もないし、楽しみ方に正解もクソもない。自分が正しければそれでいいのだ。それぞれが音楽に夢やロマンを持ち、それを信じている。それが”音楽”だ。
もちろん全部が全部そうだという話ではないが、J-POPやアイドルソングなんかは特にそうだという話を先日聞いた。「売れる曲は作れる」らしいのだ。構造さえわかってしまえば…なんだとか。末恐ろしい話である。
確かにアイドルソング(知識がないので私は某会いにいけるアイドルを想像)って、すごく覚えやすいし、なんだか踊りたくなる。色々聴いてみると、ごくたまに楽曲として素晴らしいなと思うような曲もあったりする。
でも、私から言わせてもらえば…というか世間的に既にそう言われているのかもしれないが、まったく後を引かない。なんなら、10年後、20年後にその音楽が語り継がれることはないと思っている。その証拠に、ウィークリーランキングで1位をとってもすぐに消えているし、即急激に落ち込む。要するに、突発的にノリがいいだけで、楽曲として広く心を打つような魅力がないのだ。
別にアンチというわけではないけど、事実そうだと思う。
私が頭を抱えているのは、アイドルソングが終わってるという話ではない。なんと、そのアイドルソングに使われている構造は最近のロックにも使われているというのである。確かにノリがよくて、ライブで盛り上がれる曲は楽しいけど、計算されたものだったなんて…。
この話からして、"最近のロックは終わってる"ということになるのが心底悲しすぎる。先述したように、もちろん全部が全部そうではないことは重々承知の上、というかそうであると私が信じたい。
でもなぜ売れているのかよくわからないバンドとか、意味深にセルアウトしていくバンドというのは、やはりそういう楽曲が多いのであろうか。人気がでてきてるからって本当のロックをやっているわけではないのかもしれないし、しかし個人的に言えば、人気が急上昇したからといってその音楽の本質を聴いてくれない人が多いのも悲しい(人気があるからといって音楽自体も見下されることが多い)。
さらに言えば、そんな音楽でマーケティングが成り立っているのもおかしいところである。世の中的に、突発的なものに身を任せているだけで、誰も「音楽そのものに興味がない」のが普通になってしまったのだ。
そこで是非、これを機に音楽の楽しみ方にひとつスパイスを加えてみてはいかがだろうか。「ノリがいいからさいこー!」だけではなく、よーく耳を澄ませる。ギターのピックが弦に触れる音、ドラムのスティックを振り下ろす音。耳を澄ませば澄むませるほど、空気の音が聞こえてきたりするのだ。それこそ、ヴォーカリストの息を吸う音だって聞こえる。
こんな風に少しでも慎重に聴くことによって、音楽そのものに込められたメッセージだとか心情、アーティスト側の気持ちが直に伝わり、その”音楽”そのものを好きになるはずなのだ。大衆がそうともなれば業界だって変わる。こうして音楽を好きな人たちが集まれば、日本の音楽の再興だって、不可能ではないはずだ。
Text by Yuki Tahara
0 件のコメント:
コメントを投稿